駆け足で辿(たど)ってきた本校の歴史。最後に平成16年の本校の近況を伝えて締めくくりとします。
平成15年度卒業生(平成16年3月卒業 320人)の国公立大学合格者総数は156名。これは一学年8クラス編成になって以来、最も多い人数です。さらに国公立大学への合格率、進学率ともにここ十年で最高でした。特に女子は半数が国公立大学に進学し、その健闘ぶりが目を引きます。私立大学へも早慶に現役合格22名、その他多くの難関大学に合格しました。
山岳部、水泳部上西秀長君(1500M自由形)の高校総体での全国優勝が特筆されます。今年の高校総体で二種目以上の全国優勝を成し遂げた普通科の公立高校は本校だけで、藤枝東高校の名を大いに揚げる活躍でした。
山岳部部長 伊久美良太君 |
島根の山を楽しみ、人々の温かさを感じ、三年間培ってきたものをすべて出せました。 |
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上西秀長君 | 会場や地元で応援してくれた人のためにも負けられないと頑張りました。五輪に出場して世界で戦うのが夢です。 |
(藤枝市長への表敬訪問を報ずる『静岡新聞』の記事より)
サッカー部は平成15年度の全国高校選手権、16年度の高校総体、全日本ユースに出場しました。サッカー王国とよばれ、全国一の激戦区と評される静岡県で、選手権・高校総体・ユースの全ての大会で県代表権を獲得することは至難の技であり、近年では例を見ません。
陸上部の中村智春君は3000M障害で東海大会で第五位入賞、全国総体に出場しました。
弓道部は女子団体が県大会準優勝。東海大会に駒を進めました。
高校総体県大会には右の部活動以外に男子バスケット、男女バレーボール、男女テニス部、卓球部、柔道部が進出、藤枝東高の代表として頑張りました。
文化部では棋道部の鈴木広将君が囲碁で全国大会に出場しました。
昨年度に引き続き、文科省指定の「学力向上フロンティアハイスクール事業」に取り組んでいます。昨年度の成果を基に、授業を通した静岡大学や附属島田中学校との連携、県外学校施設訪問、実践的な入試対応力を磨く研修など、いずれも本校の教育力を高めるための研究・実践を行っています。
最後に『藤枝東高新聞』(平成15年7月)の特集「移り変わる東高」の「まとめ」から一部を引用して「藤枝東高八〇年史」を閉じることとします。
東高のイメージを若年層の人に聞いてみると、やはり校風が自由という意見が多い。しかし、その一方で今年で八十周年を迎えるこの東高を歴史的側面から見てみると、その成り立ちは、志太地区に進学校をつくり、リーダーを育成するということに尽きるだろう。
このような異なった二つの側面を共存させているのが東高の特徴であり、伝統と呼ばしめているのであろう。自由の意味をはき違える向きが拡大すれば、それは学校としての活動が成り立たない。かといって、進学率という観点を重視するようになっては、それは東高の私立高校化(あくまでも言葉のあやである)を招く危険性(?)をはらんでいることは間違いない。
東高の伝統は、まさに針一本の先に乗っているかのごとく、微妙なバランスで成立していると言っても過言ではないだろう。そしてそれは、幾代にもわたる東高生達の努力が可能にしてきた業であるとも言えるのではないだろうか。(後略)
東高の歴史、そして未来を、「永久に誇らん友よいざ」。